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ITサーバを風力発電機内に設置 再エネとITが融合

NRW州西部のパーダーボーン近郊に世界で最も高所に位置するパイロット・統合データセンター「WindCORES」が誕生した。風力発電機で生み出した電力を使いながらデータセンターの運用を持続可能にするという、まさにエネルギー政策とデジタル化の融合が実現

建設はWestfalenWind IT 社がパーダーボーン大学ソフトウェアイノベーションキャンパス、イノベーションネットワークのInnoZent OWL、高度データネットワーク開発・運用を営むInnofactory社と協力し行った。この統合データセンター「WindCORES」のITサーバキャビネットは風力発電機内に設置されている。目指すのは増大するエネルギー需要を再生可能エネルギーによってカバーすること、風力発電の応用範囲を拡大すること、さらには企業が直面するエネルギー価格の高騰に対応することだ。また既存の建造物である風力発電機を利用することで、「WindCORES」では電力コストを最大50%(15セント/kWhまで)まで引き下げられる。さらに複数の風力発電機をネットワークでつなげれば、送電ロスのない高効率で安全なインフラが構築できる。

データ処理は風力発電機のタワーの足場「コア」に設置したITセキュリティキャビネットで行われる。不正アクセスや火災または電磁干渉(電磁両立性)に対する防護策を講じており、リアルタイムで作動状況やシステムへのアクセスがすべて監視できる仕組みだ。さらに顧客のニーズに対応した高性能のインターネット接続を常時実現するために、ガラスファイバーや無線直接通信技術を駆使している。また電力のバックアップ対策として2つの電力配電網にも接続したシステムとなっている。

この技術革新は関係者全員に大きな利益をもたらすことから極めて実用的だ。例えばグリーン電力の地産地消によって風力発電機の運転コストを抑えること、その結果としてグリーン電力料金を低額で供給できること。さらに特筆すべきは「WindCORES」の極めて高い順応性だ。データセンターを利用するIT顧客のあらゆる要件を満たすために、顧客のニーズに適合させたモジュール・ソリューションを提供する。これによりIT顧客と直接のネットワークを構築し、サービスが使いたい時にいつでもすぐ使えるアベイラビリティの高いシステムの設計が可能になっている。

NRW州東部にある製造業集積地域の東ヴェストファーレン・リッペ、ならびに最先端クラスター「Its’ OWL」の活動において重要な役割を担っているパーダーボーン大学は、ビッグデータ分析研究で大容量コンピュータを利用している。そのため、低額のグリーン電力から恩恵を大いに受けられる。今回の再生可能エネルギーとITシステムを統合させたプロジェクトは、研究拠点であるNRW州がいかに産学連携の可能性を有しているかを示す代表的な事例である。

参考資料