家庭の台所に欠かせない透明なラップは誰もが知る「旭化成」の製品だ。自動車分野からサステナビリティまで幅広い事業分野でグローバルに活躍する総合化学メーカー「旭化成株式会社」は、特に「グリーン水素」事業において、未来のクリーンエネルギー社会を牽引する重要な役割を担おうとしている。同社がどのようにしてドイツ・NRW州を拠点に選び、現地での実証実験、福島でのスケールアップという劇的な成果に繋げたのか。その成功の裏側にあるNRW州との連携と、グローバルな事業戦略についてお話を伺った。
日本企業のドイツ・欧州市場でのリアルなビジネスについて、NRW.Global Business Japanがインタビューする 「ドイツ進出、成功の鍵は?」 シリーズ。第9弾は、旭化成株式会社の上席執行役員であり、グリーンソリューションプロジェクト長を務める竹中克氏を日比谷の本社に訪ねた。
以下はインタビュー動画「ドイツ進出、成功の鍵は?- NRW州進出のリアルなビジネス」 シリーズ 「ヨーロッパから未来を作る 旭化成の挑戦」(全編日本語)からの抜粋です。ぜひ本編をご覧ください。
➖ NRW.Global Business Japan シニア・マネージャー・杉崎 (以下、NGB Japan 杉崎)
竹中様の今の活動、役割について教えていただけますか?
➖旭化成株式会社上席執行役員 竹中氏(以下、旭化成 竹中氏)
私は今、旭化成でグリーンソリューションプロジェクトというグリーン水素の事業化を推進するプロジェクトのリーダーをしております。再生可能エネルギーを使って水を電気分解して、製造時にも使用時にもCO2を排出しない、完全なるクリーンエネルギーのグリーン水素を作る水電解システムの事業化を推進しています。
➖NGB Japan 杉崎
ドイツ進出の経緯と、なぜNRW州の拠点を選ばれたのか、教えていただけますか?
➖旭化成 竹中氏
2014~15年頃から欧州の拠点を探していたのです。そんな中で、NRW州からH2Hertenという水素の開発拠点を紹介していただき、そこに進出して実証を行うとともに、水素の事業開発を行おうとしたのが2017〜18年にかけて、です。直接NRW州と関係を持つようになったのはそこからになります。
➖NGB Japan 杉崎
ドイツでは、NRW州(関連機関)や自治体からどのようなサポートを受けられたのでしょうか?
➖旭化成 竹中氏
2016〜17年ぐらいはNRWジャパン(NGB Japan)に大変お世話になり、このヘルテン市を紹介していただいたのもNRWジャパンです。私が実際ドイツに行く前に、様々な情報やキーマン、「この人に会っていいよ」と紹介いただき、それが非常に助かりました。また、ドイツでプロジェクトを行う中で困ったときに、NRW州のキーマンの方々に様々なサポートをしていただきました。私自身、ドイツ語は日常会話しかできなかったので、様々な面でサポートがあったのは、ドイツで実証を進めていく上で大変助けになりました。
➖NGB Japan 杉崎
ドイツでの展開は、世界的なプロジェクトにどう影響しましたか?
➖旭化成 竹中氏
ヘルテンやニーダーアウセム(在NRW州の独エネルギー大手RWE社とのプロジェクト)でしっかり蓄積してきた技術をベースにして、かなり大きくスケールアップをしたものを福島の浪江に構えました。まさに「ドイツで蒔いた種が福島で咲いた」ということで、テクノロジーの先進国としての日独連携は、これからますます重要になってくるのではないかと思っております。
➖NGB Japan 杉崎
持続可能な社会実現で、昨今は水素も大きなキーワードになっていますよね。今後のご展開をどのように考えていらっしゃいますか?
➖旭化成 竹中氏
サステナブルな社会を作っていくというのは全世界共通の目標です。
カーボンニュートラルを目指して、クリーンなエネルギーを世界各地に大量に安価に供給できる社会を作る。これを目標にプロジェクトを推進しています。世界中は空で繋がっているので、全世界が手を取り合って一緒にやっていくことが重要だと思っています。
当社は水電解装置を作って、それを世に送り出しますが、これだけでは水素はお客様に届かない。したがって、色々な人たちと手を取り合っていかないといけないから、その仲間を増やしていく。世界中に、この輪を広げていくことが大事だと思っています。
そういった意味で、欧州地域、特にドイツは環境に対して先進的な取り組みをしているので、相互連携が非常に大事です。日独両国の連携は今後益々重要になってくるのでは?
-------------------------------------------------------------------------