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”マッスルスーツ” でドイツへ: 企業インタビュー「ドイツ進出、成功の鍵は?」

シリーズ⑤ 高齢化社会の課題に挑む: アシストスーツ開発のイノフィス(動画・日本語)

東京理科大学発のスタートアップである株式会社イノフィス。今回は、NRW州・エッセン市に新たな拠点を構え、アシストスーツ(製品名:マッスルスーツ)の欧州展開に乗り出した同社の現地戦略と挑戦を聞いた。

欧州への進出を視野に入れる日本のスタートアップにとって、ドイツ進出の成功要因とは何なのか?シリーズ第5弾では、東京理科大学発のヘルスケア系スタートアップ、株式会社イノフィスに焦点を当てる。
イノフィスは、腰や腕の負担を軽減する非電力型アシストスーツを開発・販売しており、製造業、物流、建設、農業、介護など幅広い業界で利用されている。2024年時点で国内外に3万台以上を出荷し、グローバルなニーズにも対応する準備を整えている。

「展示会などを通じて、ドイツをはじめ欧州での市場の反応が良かった」と語るのは、同社取締役の依田氏。非電力型の軽量アシストスーツは、どんな環境でも使えて、またコストパフォーマンスが高いため、電動式が主流の欧州市場でも高い評価を受けている。

特に高齢化が進むドイツにおいては、介護施設やヘルスケア業界との親和性が高く、現地ニーズと製品特性が一致した点も進出の後押しとなった。以下はインタビュー動画(全編日本語)からの抜粋。

➖ NRW. Global Business Japan 代表・川久保(以下、NGB Japan 川久保)
まずは株式会社イノフィスの概要についてお聞かせいただけますか?

非電力型の軽量スーツで新たな市場を開拓
➖ イノフィス 依田氏
弊社は東京理科大学発のスタートアップで、2013年の設立です。主力製品である「マッスルスーツ」は介護や物流、製造業などで使われており、体への負担を軽減するアシストスーツです。現在までに累計3万台以上出荷しており、国内のみならず海外展開にも力を入れています。

➖ NGB Japan 川久保
このアシストスーツには、どんな特徴があるのでしょうか?

高齢化社会に応える製品としての可能性
➖ イノフィス 依田氏
私たちの製品は、電力を一切使わないパッシブタイプで、充電不要、つまりどんな環境でもすぐに使用できます。軽量で価格もリーズナブルであり、コストパフォーマンスに優れているのが特長です。

➖ NGB Japan 川久保
ドイツの中でNRW州、特にデュッセルドルフ市ではなくエッセン市で駐在員事務所を開いた理由は何でしょうか?

NRW州・エッセン市の魅力
➖ イノフィス 依田氏
NRW州・エッセン市を選んだ理由は主に2つあります。まず、エッセン市にヘルスケア施設が多く集まっている点です。マッスルスーツはもともと介護の現場を念頭に開発された製品なので、そうした施設との相性が非常に良いのです。2つ目は、エッセン経済振興公社の手厚いサポートがあることです。販売パートナーの紹介や採用支援など、ネットワーク構築で大きな助けになっています。

➖ NGB Japan 川久保
現地での反応はいかがですか?

➖ イノフィス 依田氏
正直に言いますと、最初はドイツからの問い合わせはほとんどなく、不安を感じていました。製品自体の可能性には自信がありましたが、やはり現地での認知が全くない状態では、すぐに手応えを感じるのは難しかったですね。
そんな中、NRW州で経済振興公社のサポートを受け、地元の経済メディアや業界紙へのPR記事を出すことができました。たとえば「この企業がこんな風に使っています」といったユーザー事例を紹介することで、信頼感を得ることができたと思います。
そこから徐々に知名度が上がり、現在では製造業やヘルスケア業界を中心に具体的な引き合いが増えてきています。認知してもらうのに少し時間はかかりましたが、着実に一歩ずつ前進できている実感があります。

(ドイツ現地に駐在員事務所を開設した今)現地にずっといて、お客様からのリクエストにスピーディに取り組んでビジネスを加速していきたいです。

インタビュー動画 (約17分) はこちらから>>
株式会社イノフィス 公式ホームページ