気候に悪影響を及ぼす温室効果ガスの産業別排出量で、建設産業は大きな割合を占めている。そのため、持続可能な建築資材を使用することは、気候変動や地球温暖化の抑制のために重要な術となる。たとえそれが建設産業の一部でしか使用されない製品であっても、抑制に大きく貢献できることがポイントだ。
新しく開発された「エコテラ・ゼロ(Ecoterra Zero)」と名付けられたコンクリート・ブロックは、道路の舗装や園芸用に使用される。このコンクリート・ブロックは、砂、石英、砂利、水、ミネラルバインダーを原料に製造されるもので、セメントは使用しない。カーボンニュートラルな方法で製造された石材「エコテラ・ゼロ」はまた、従来の製造方法で作られた製品と同様の品質を実現している。
なお「エコテラ・ゼロ」は住宅建材としては適していないものの、添加剤を加えることで水を浸透させる透水性の特性を持つようになる。この特性は即ち、洪水防止対策上、重要な役割を担ってくれるのだ。というのも、舗装に透水性の高い建材を使用すると、水は道路表面上を流れるだけではなく、かなりの水量が予め地盤に染み込み、吸収されることになるからだ。
映えある「ドイツ・イノベーション賞」金賞を受賞したメッテン・シュタイン+デザイン社は現在、この自社技術で世界市場へ事業展開しており、すでにカナダとサウジアラビアでライセンスビジネスをスタートしている。
NRW州発のイノベーションが、またひとつ世界へ羽ばたこうとしている。