ドイツでは2024年上半期に合計1310メガワット(MW)の風力発電設備が新設され、風力発電による発電量が大幅に増加した。発電量が増加したにもかかわらず、風力タービンの数は減少している。その原因は、再生可能エネルギーの支援を目的とした20年間のEEG(再生可能エネルギー法)賦課金制度が廃止されたため、旧式タービンではもはや経済的に採算が合わなくなったからである。これに対し、新型のタービンの平均発電出力は約5MWと高効率化している。
また、新規風力タービンの許認可件数も増加している。2024年上半期にドイツ全土で承認された風力タービンは896基、総発電容量は5023MW、前年比41%増となった。2024年は、通年で1万2000MW以上の認可が出されると見込まれている。
NRW州は、ドイツ連邦州の中でも主導的な役割を果たしている。2024年上半期、NRW州では新たに61基、総発電容量275MWの風力タービンが設置された。認可された総容量は1336MW。これは、2022年全体の認可容量を上回り、さらに2023年全体の70%以上に匹敵する数字である。また、ドイツ全体で見ても、ドイツ総許可容量の4分の1以上に相当し、ニーダーザクセン州、シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州、ブランデンブルク州の許可容量を大きく上回る成果となっている。
ドイツは欧州における再生可能エネルギーの主要市場のひとつであり、エネルギー転換に向けた世界的な潮流モデルとみなされている。そのため、これらドイツの勢いは日本企業にとって大きな意味を持つ。特に、風力タービンの生産、技術開発、またプロジェクト開発を手掛ける日本企業にとって、風力エネルギー需要の高まりと許認可件数の増加は強力な追い風となる。もし、日本企業がドイツ市場の新しいニーズを満たす革新的な技術やソリューションを提供できれば、ドイツ風力市場の拡大から絶好のビジネスチャンスを得ることは間違いない。さらに、ドイツ市場で事業展開をすることによって、新規市場や資源へのアクセスを可能にするパートナーシップや合弁事業のチャンスも手にするであろう。
出典 写真コピーライト: Energy4Climate GmbH