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風力エネルギー目標は2030年までに達成可能 最新調査が検証

NRW州はエネルギー供給戦略政策で2030年までに風力発電を拡大する目標を掲げている。2021年2月に公表された風力発電事業の候補地調査から、この目標が達成可能との見通しが示された。

2019年夏、NRW州は新エネルギー供給戦略を発表。安全で経済的、さらに気候・環境配慮型のエネルギー供給の実現が同戦略の目的だ。なお、既存インフラを可能な限り利用・整備していくこと、また2030年までに再生可能エネルギーの割合を倍増し、2050年までに全エネルギーを再生可能エネルギー源で賄う目標を掲げている。即ち、2050年、NRW州がドイツ初の気候ニュートラルな連邦州になる野心的な政策だ。

実現に向け、風力エネルギーの発電容量を10.5GWまでに増大する必要があるが、風力発電の建設は地元住民や自然保護の観点から反対を受けることが多いのが実情だ。現行の法律では住宅地と風力発電機の離隔距離は少なくとも1000m以上と定められている。また、自然保護区域でも最低離隔距離が設けられており、法律改正が風力発電拡大には必須となっている。

NRW州自然・環境・消費者保護庁(LANUV)は、2012年に実施した風力発電事業候補地調査の見直し作業を進めており、最新技術や法的枠組みの実情に合わせる取り組みをしている。その中間報告が2021年2月にあり、風力発電での目標は2030年までに達成可能と発表された。また次の2つのシナリオも紹介されている。

  1. 法的根拠及び各種制限を考慮したシナリオ: 4.9GWの発電量の上乗せが可能(2030年まで)
  2. 法的根拠のみを考慮したシナリオ:14.6GWの発電量の上乗せが可能(2030年まで)

ドイツは2022年までに原子力発電を完全に撤廃し、また2038年までには石炭・褐炭を利用した発電を停止する。このことを背景に再生可能エネルギーの効率化が益々その重要度を増して来ている。NRW州は風力発電のみならず、太陽光、水素、バッテリーを利用したエネルギー供給の促進に取り組み、ドイツNo.1のエネルギー州としての責任を果たしていく。

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