シリーズ第三弾は食品産業の進出事例。札幌市に本社を置く「西山製麺株式会社」。1953年に創業した同社は、ラーメンの麺作りで札幌ラーメンの人気の向上と確立に大きく貢献してきた老舗。今や「日本の国民食」となったラーメンの世界ブームに応え、ラーメン販売強化を目的に2013年、NRW州デュッセルドルフ市にSapporo Nishiyama Europe GmbHを開設した。
ドイツ現地法人の設立から12年が経過したが、ヨーロッパ人の食文化に合わせて、どんどん進化するラーメンが益々面白いと、西山隆司社長は目を輝かせて語ってくれた。次のチャレンジはドイツでの製麺工場の立ち上げだという。
以下はインタビュー動画(全編日本語 )からの抜粋。
➖ NRW. Global Business Japan 代表・川久保 (以下、NGB Japan 川久保)
ラーメンは中国をルーツとする食べ物ですが、日本に入ってきて味噌や醤油と合わさり、日本食に進化した文化的にも面白い食べものですよね。そして今はヨーロッパやアメリカでも、とても人気があります。ドイツでの売上は15%を占めている、とのことですが、何がきっかけでドイツでのビジネスを始めたのですか?
ドイツでのビジネスのきっかけは?
➖ 西山製麺 西山氏
実は、ラーメンを世界的に売り込もうと思ってやってきたわけではないのです。最初は海外からのインバウンドの方々が日本でラーメンを口にして、「この美味しいラーメンを自分の国でも食べられないか?」という引き合いが多く、これが元々のきっかけでした。
また、ドイツはデュッセルドルフに大きなお客様がいて、このビジネスが更に更に広がっていき、これならば現地に会社を設立し、きちっとビジネスサポートした方が良い、と思ったのです。
➖ NGB Japan 川久保
デュッセルドルフには日本食レストランも多いですね。これがデュッセルドルフを選んだ理由ですか?
NRW州デュッセルドルフを選んだ理由
➖西山製麺 西山氏
そうですね。また加えて、デュッセルドルフにはヨーロッパ最大の日本文化を紹介するお祭り「Japantag(ヤーパンターク)」があり、ここには日本文化に関心のある人が住んでいて、またどんどん集まってくる場所なので、ここで日本食のラーメンを発信するとヨーロッパ中に広まると思ったわけです。
➖ NGB Japan 川久保
中小企業で海外に積極的に進出するのは素晴らしい!でもチャレンジングなことと思います。最初にNRW州でビジネスをする際に、どのような資源とかノウハウが必要でしたか?またどのような支援がありましたか?
NRW州で良かった!と思うのは…..
➖西山製麺 西山氏
まず結果として、NRW州、デュッセルドルフで良かった! と、本当に思っています。何故なら、NRW州はドイツでは西の方に位置していますが、(全体でみると)ヨーロッパの真ん中に位置しているのです。ここからオランダに行く、ベルギー、パリに行く….と、動き易い場所なのですね。
そして、もうひとつ大事なのは、中小企業の1番の悩み「パートナー」。中小企業にはパートナーが必要なのです。この点、NRW州やデュッセルドルフ市では悩みや相談を日本語で聞いてもらえる。これは最高に力強いパートナーなのです。そう、行政が頼りになる!
日本だと行政は縦割りですが、NRW州では行政間の連携があって、とてもコミュニュケーション能力が高いのです。ここが頼りになるのです。
インタビュー動画 (約17分) はこちらから>>