1月末、ドイツNRW州、オランダ、およびベルギーのフランダース地域に拠点を持つ化学企業8社と欧州2大港湾ロッテルダムとアントワープは基本合意書(LOI)に署名した。目指すはオランダ・フランダース・NRW州にまたがる化学クラスター内のパイプライン基盤を更に発展させることだ。
ピンクヴァルトNRW州経済エネルギー大臣は、「化学産業は、その製品とその処理行程が故に、将来に向けて重要な産業と見なされている。化学産業がなければイノベーションや開発の発展もほとんどあり得ない。パイプラインは化学産業にとって不可欠なライフラインであり、産業界全体の競争力にとっても重要である。原材料を安全・安心に輸送するパイプラインは、鉄道や道路の交通量を大幅に削減し、同時に原材料の安全な輸送を可能にする。即ち、パイプラインはEUの気候保全目標を達成する上で重要な役割を果たす存在」と抱負を述べた。
今般の合意に関する協議は、2017年にNRW州、フランダース、およびオランダの経済大臣がスタートさせた化学産業の三国間戦略(TRILOG)の一環として行われた。三国間戦略では、政治と経済をより緊密に連携させ、革新的かつ持続可能な化学産業コンセプトを2030年に向け策定し、産業界に弾みを与えることを目的としている。
NRW州、フランダース、およびオランダの化学産業クラスターでは35万人以上が就労しており、1800億ユーロの売上高を産出している。この様な化学クラスター間での協力はヨーロッパでは他に類を見ない。
基本合意に署名した企業は下記10社:
- Basell Polyolefine GmbH
- BASF SE
- BOREALIS AG
- BP Europe SE
- Dow Europe GmbH
- Evonik Performance Materials GmbH
- INEOS Manufacturing Deutschland GmbH
- Hafen Antwerpen
- Hafen Rottderdam
- SABIC Petrochemicals BV